お墓。これからの家族の在り方とは

昨日、神奈川県行政書士会 横浜中央支部の研修会に出席してきました。テーマは「建てるお墓 壊すお墓」。講師は、この道、50年の実績をもつ、横須賀の大橋石材店の代表取締役 大橋理宏様でした。

たいへん経験豊富な方で、印象に残るお話をいくつも伺うことができました。

・「檀家」の制度は江戸時代から。お寺が戸籍を管理する役割を担っていた。

・戦後、人々は移動するのが当たり前になった。生まれた土地で一生を送る人はほとんどいなくなってきた。お墓を守るのにも限界がある。

・「先祖代々」というものの、「先祖」はわかるが「代々」がどのくらい続くか。一人っ子同士が結婚すると、「家」や「お墓」は、従来のものと別になってしまう。

・昭和の中頃までは、向こう3件両隣が協力して自宅で葬式をあげていたが、葬祭ホールが盛んになってきて、都市部では自宅で葬式をあげる人がほとんどいなくなった。

・民間の新しい形式の墓苑を販売しているのは、たとえば不動産デベロッパーだったりするが、売り切ると、会社自体が消えてしまうことがある。

・新規に建てるお墓の数は大きく変化はないものの、いわゆる「墓じまい」をする件数は年々増加している。

「墓じまい」の件数が増えてきても、墓石の撤去や廃棄手続きなど、石材店の出番は今後もあるようです。

いろいろな事情で、「墓じまい」をしたい方のニーズは増加するものの、お寺によっては、法外な「離檀料」を求められるケースもあるようです。そういう局面で、粛々と法律に基づき、依頼者を守るのも行政書士の役割というお話でした。

墓じまいをするということは、先祖と向き合い、祈りの場を失いかねないので、自分の生きている間は実行に移さず、死後に行ってほしいというニーズもあるようです。「死後事務委任」の一環として、「石材店」さんと連携して関わっていきたいと思いました。 写真は「お墓のエンディングノート」です。これもまたユニークな取り組みです。