「審査基準」や「標準処理期間」を開示することが行政手続きの見える化の第一歩であり、そのように各行政機関も教育されていることと思いますが、もう一歩、住民へのサービスを拡大するとしたら、エストニアの事例のように、どの部署がどういう観点で預かっているのか、ということが刻々と見えるようになることを期待したいと思います。デジタル化の狙いは、先にあげた「デジタルファースト法案」のように、簡単にクリックすれば書類が手に入る、というだけでは寂しいと思います。うまくいかない、滞るものに関しても、意思決定のルートを申請側のパソコンでたどれることを期待したいと思います。ダメになってからの「理由」を説明してもらうのでは、今の時代は遅いような気がします。 道具立ては問題なくそろっているので、やろうと思えば簡単なことです。 従来であればお役所のほうの意識改革が必要だったものが、ITツールに載せてしまえば、行政庁の職員一人一人が多大な「責任」を負うことなく、まずは、今、どこでどうなっているのか、ということが追跡できれば、たいへんありがたいという気がします。(ご担当の職員個人名を公開するのははばかられるのだとして)
ちなみに、なぜ、「税務署」は、「所」ではなく「署」なのか。「国税を納めるところだから」というのは、確かに、「税務署」と市町村の「納税事務所」の違いを説明していることになりますが。 「警察署、消防署、税務署、労基署…この署がついているお役所は、その管轄するルールに違反し、悪質だとみなされると逮捕権を持っている役所です」という名回答がネットにありました。 そういえば「公共職業安定所(ハローワーク)」と「労働基準監督署」も確かに、そんな気がします。ブラック企業を摘発するのは「労基署」ですね。