農業を支えるのも外国人なのか

新型コロナの感染者の拡大が続いています。生活のいろいろな場面に影響が出ています。土曜日の日経新聞の記事に「農業生産にコロナの影 外国人実習生が来ない!」というものがありました。

「長引く新型コロナウイルスの感染拡大が、農産物の生産に影を落としている。外国人の入国を原則停止する「水際対策」が響き、農作業を支える技能実習生などが入って来られない状態が続いているのだ。生産規模を縮小するなど、一部ではすでに深刻な影響が出始めている。」ということです。事実関係は、そのとおりだと思います。

「技能実習」とは名ばかりで、日本人がやりたがらない重労働を賃金の安い外国人に肩代わりさせるこの制度、かつては中国人頼りだったものが、ベトナム、ミャンマーと次々に国を変えて対応してきたやり方が行き詰まっていることを記事は伝えています。

それを受けて、この記事は、「待機状態にある実習生を含め、政府がいかに円滑に受け入れ手続きを進めるかが22年の農産物生産のカギを握る。」としています。1日でも早く、入国停止をやめて元の状態に戻すべきだと。

そのような要望があがることも理解でっきないわけではありませんが、

「農家が外国人をきちんと処遇することも重要だ。人件費の削減ばかりを目的にしているようでは、いずれ農業の現場に働きに来てくれなくなる。人手不足は日本の産業を広く覆い、すでに外国人材の奪い合いが起きているからだ。外国人に喜んで来てもらえるかどうかが、産地や各農場の競争力を左右する。」

その前に、もう一度、賃金体系を見直し日本人の労働力で立て直すという道がないのか、残念ながらこの記事には、そのような活路には触れていません。「技能実習制度」も含めて、いろいろ見直すチャンスだと思うのですが、コロナ影響は一過性のものだという認識が根底にあるのか、そのような議論に至らないのは残念です。

(横浜にでかけた際に公園に梅が咲いているのを見かけました。季節は進んでいます)