事業再構築補助金でみかけた「よくある電子申請の不備」

いろいろな手続きがデジタル化、電子申請化に向かっています。今が過渡期だと思いますので、こういう点を改善してほしいという趣旨のつぶやきです。

例として、最近申請に関わった「事業再構築補助金」についての政府の公式ホームページから、気になる点をみていきます。

「電子申請」といってもいろいろな段階があるように思います。新型コロナ影響で注目されている「事業再構築補助金」の申請の場合、昔からあった制度ではなく、申請する側のニーズに応じて、毎回、採択されるための要件が変化しています。それ自体は、ありがたいことだと思います。申請書自体は「印鑑不要」の流れにそっていますので、必要な選択肢を選んでいくことによって仕上がるようアプリができあがっています。また、申請書に加えて多数の証拠書類を添付する必要があるのですが、以前であれば、コピーをとって束ねて封書で送付したものが、すべて、パソコンの周辺機器でスキャンするか、最近ではスマホの写真で用が足ります。それを申請時に必要な箇所からファイル名を入力することによって申請が完了します。

そのような形式的な部分での入力の間違いや添付ファイルの不足や勘違いによる不整合がよく起こるものと思います。

今日、指摘したいのは、ここです。

申請の公式ガイドには、「電子申請の手続きにおいて申請内容の不備が増えております。申請時には今一度、「よくある電子申請の不備」の資料をご確認いただき申請をお願いいたします。」とあります。指定された「よくある電子申請の不備」のサイトをみて驚きました。

多種多様なミスや勘違いはいろいろあるものと思いますので、「よくある電子申請の不備」でそのような起こり得るケースについての解説があるものと思っていたところ、そのサイトは、過去、多数の間違いがあった事例が列記されているのではなく、申請時の注意事項が、ただ、平坦に記載されているものでした。

そこで、人はこういうケースで「よくある電子申請の不備」のようなページを事前にチェックしないものなのか、ということに思いいたりました。とりあえず電子申請をやってみて、何か不備があってはじかれたら、その指摘に沿って正しいものを再送すれば済む、という考え方が若い方を中心に「主流」なのではないかという気がしてきました。

ある意味、「よくある電子申請の不備」というサイトさえ無用なものかもしれません。ミスがあるかどうかは、申請者が事前に細かくチェックすることもわずらわしいので、とりあえず申請データを送ってみて機械に判断させるという方法論です。

役所の側も、そういうことで割り切っていればOKです。

どうも今は過渡期なので、そのような単純ミスを丁寧に機械がチェックする部分が不備のような気がしております。それを人手でやるのであればたまったものではありません。各種の審査に時間がかかるのは案外そういう事情ではないかと思います。いかがなものでしょうか。