議論だけでは済まないので軽々に語りたくない件

新型コロナの感染者の拡大が続いており、緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置を8月8日から「福島、栃木、茨城、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本」の8県を追加する方針と報道されています。相当な範囲となりました。県をまたいでの移動は自粛するように、とのことですので、これは、全国に緊急事態宣言が出された時のような状態と同じになってきました。事態が収束するのは、ワクチンの接種がさらに進むまで待たなければならないのかもしれません。

そのワクチン接種に関しては、様々な虚偽の情報が流されていることも報道されています。それに関連して、日経新聞の「厄介な国のワクチン忌避 リスク不寛容でさまよう英社製 科学記者の目 編集委員 矢野寿彦」という記事を読みました。

「やはり腑に落ちない。政府は英アストラゼネカの新型コロナウイルス向けワクチンを医薬品として特例承認したにもかかわらず、2カ月半も接種に使うかどうかを棚上げにした。この科学的根拠をないがしろにした『ワクチン忌避』は、一切のリスクを許容せず事なかれ主義からなる日本のワクチン行政が、今なおその本質を変えていない証左といえる。」という主張です。

1日100万回を超す接種ペースに、ファイザー製やモデルナ製のワクチンの接種が進んでいますが、一方、「アストラゼネカ」製のものは、昨年からいち早く、日本国内での普及が期待されていたのに、「一部の接種者に血栓の症状が出た」などと、ざんざん、2社製のものとの対比で、「アストラゼネカ」製のワクチンの不安をあおっていたのは、ほかならないテレビや新聞の報道ではなかったかと思います。

ここへきて、高齢者への3回目の接種の必要性なども言われていますが、「2カ月半も接種に使うかどうかを棚上げにした、事なかれ主義からなる日本のワクチン行政」という批判の矛先は違うのではないかという気がします。

中途半端な情報でワクチン接種の不安感をあおっているのは政府の無策ではなく、そのような「怖い」ニュースのほうが大衆受けするという安易な判断による、マスコミの報道姿勢だったのではないかという気がします。時に「専門家」まで登場させて。

ですので、この件について、国が悪い、行政が悪いというようなことを論評するのは控えたいと思います。

ともかく、平常な状態に戻るのはいつになるか、それだけが気になります。

(アサガオです。小学校の「夏休みの植物観察の宿題の定番」を連想します)