五輪外交とは
東京オリンピックの開会式に出席するために各国の要人が来日しておりました。その機会に菅総理大臣がそれぞれの首脳とリレーのように面談して、オリンピックに限らず、諸問題について意見交換を行ったことが報道されております。
そのなかで、ひとつ気になったことがありました。フランスのエマニュエル・マクロン大統領との会談です。
マクロン氏は会談終了後、「私たちが一丸となって新型コロナウイルスと闘い、回復を目指している時、このパートナーシップは強みになる」とツイッターに投稿したというのは良いニュースです。また、またマクロン・菅両氏は、会談で気候変動対策についても協議したというのも、深刻な課題なので一定の意義があったものと思います。
一方、日本におけるいわゆる「子どもの連れ去り問題」も話題になったと報道されています。背景には、日本では両親が離婚・別居した際の共同親権は認められていないというフランスなどと制度の違いがあります。
「子どもの問題をめぐっては、わが子を日本人妻に『誘拐された』と主張する日本在住歴15年のフランス人、ヴィンセント・フィショ氏(39)が今月、子どもとの面会を求めて東京都内でハンガーストライキを行った。フィショ氏は実子2人と3年近く会えずにいると訴えており、今週、マクロン氏の顧問らと面会している。」
我が子のことは、当事者にとっては大きな問題だとは思います。しかし、法制度や習慣が異なる場合の民事上の争いのひとつです。そのようなテーマを2国間の会談で話題にするというのもお国柄なのか、大統領は国民の権利を守るというものなのか。そのこと自体、日本とはずいぶん違うような印象を持ちました。
こういう話題を報道してくれてはじめて気づくことがあるので、通り一遍の「外交課題」よりも、お国柄の違いがおおいに参考になりました。
(昨日の空、典型的な夏の空です。一方で次々と台風が接近してきていることが東京オリンピックの競技日程に影響しないか気になるところです)