路線価が発表されました
毎年、7月1日に、その年の1月1日時点の路線価が発表されます。これを扱っているのは、国土交通省などではなく、国税庁です。相続税や贈与税の算定基準となるからです。
新聞の報道によると、全国約32万地点の標準宅地は全国平均で前年に比べ0.5%下落した。新型コロナウイルスの影響で観光地や繁華街などがマイナスに転じ、6年ぶりに前年を下回った、とのことです。
特に、大都市部での下落率が大きいようです。また、地方都市でも、インバウンド(訪日外国人)の増加で上昇が続いていた観光地などで反動減が目立つとされ、「下落率が最も大きかったのはインバウンド需要が激減した奈良市。前年の21.2%プラスから一転、12.5%マイナスとなった」とのことです。
実は、昨年、新型コロナの緊急事態宣言下で自宅にこもる機会が多く、まとまった時間が確保されたおかげで、宅建士試験の勉強をすることができました。試験問題のなかで1問、必ず、地価公示データのここ数年間の推移に関する問題が出題されます。昨年までは短調な増加傾向だったので記憶しやすい内容でした。一転して、今年は新型コロナ影響が様々なところに現れて傾向を分析するのに、受験勉強をされている方もご苦労されていることとお察しいたします。
ところで、路線価ですが、「1月1日を評価時点として公示地価の8割程度に設定しているが、国税庁の担当者は『1月1日以降も緊急事態宣言の発令など社会経済の不透明感がある』と指摘。路線価を基に相続税などを算出する人に不利益が生じるのを防ぐため『年の途中で大幅に地価が下落すれば、20年分と同様に補正を検討する』」と報じられています。変動が大きいといろいろ面倒なことが派生するようです。動向に関心をもっていきたいと思います。
(これから本格的な夏ですが、お散歩で、もう秋の味覚、ぶどうの実が作られ始めているのを発見しました。変化を見つけるのは楽しいものです)