無戸籍の人は支援を受けることができないのでは
新型コロナのワクチン接種が全国の自治体で強力に進められております。私も一定の高齢者の部類なので接種券が2枚郵送されてきました。川崎市の会場に予約するのが本来ですが、まだ予約受付が始まっておらず、一方で、東京大手町の大規模接種会場が東京都民だけではなく神奈川県民にも枠を広げてくれていましたので、ネット上で予約ができました。おかがで、今週、第1回目の接種を受けることができる見通しです。
冷蔵庫の管理や、あるいは、誰に接種したのかの履歴管理がうまくいかず同じ人に1日に2回接種してしまった事例など、いくつかの初歩的なトラブルが報道されていますが、ともかく、数は十分確保されているとの政府の報道ですので、数か月のうちに、かなりの範囲にワクチンが行きわたるものと思われます。
そのワクチンの件と結び付けられた報道ではなかったのですが、先週、主要な自治体を対象に「無戸籍者」に対処しているかというアンケートが行われたとのニュースがありました。
「無戸籍者」といっても紛争中の外国から密入国してきたような「無国籍」の人ではありません。日本人のかたです。「離婚後300日以内に生まれた子を『前夫の子』とみなす民法の『嫡出推定』の規定が無戸籍者を生み出す要因になっているとされるため、法制審議会(法相の諮問機関)の親子法制部会が今年2月、規定の見直しを含む法改正の中間試案をまとめた。」ということです。民間の支援団体の推計で、現在、約1万人のそのような「無戸籍者」があちこちの自治体で生活しているということです。
少し前のことですが、「大阪府高石市の無戸籍女性餓死問題」というニュースもありました。「令和2年9月、市内の民家で当時78歳だったとみられる住人女性が餓死しているのが見つかり、同居の息子も衰弱して入院した。女性は約20年前からこの家で内縁の夫と息子と3人で暮らしていたが、平成28年8月に夫が死亡。女性は夫の遺産を頼りに息子と2人で暮らしていたが、令和2年夏ごろに遺産が底をつき、最後は水や塩で飢えをしのいでいた。女性は夫の死亡届を提出する際、自身が無戸籍であるということについて、市の窓口でやり取りをしたとみられ、この機会に支援の窓口につなぐなどすれば、餓死を防げた可能性もある。」というものでした。
こういった無戸籍の人が解消できる方法として「市区町村や法務局に相談した上で、場合によっては裁判手続きなどを経て、市区町村に出生届などを提出して戸籍に記載される必要がある」ということで、道がないわけではないようです。
ここでも煩雑な手続きを簡素化する方向で、規定の見直しが検討されているとのことです。うまく、ワクチン接種の恩恵を受けられるようになることを願っています。
(東京方面はまだ梅雨入りではないとのことですが、そのような定義におかまいなしにアジサイはどんどん色づいています)