ここでもデジタル化

「建設工業新聞」を時々、読みます。

先週の記事で目にとまったのは「国交省/建退共の電子申請開始周知へ」というものです。

「建退共」とは、「建設業退職金共済」のことです。一般企業には退職金制度が備わっていたりしますが、中小や一人親方の建設業には永くそのような制度がありませんでした。

建退共は、建設現場で働く人たちのために、中小企業退職金共済法という法律に基づき創設された、国が作った退職金制度です。建設業で働く人の特徴として、一つの工事が終われば現場が次々と変わりますし、雇い主が頻繁に変わるケースもあります。そうすると、退職金として1企業に積み立てていくことが合理的ではありません。

そこで、建設業の事業主が「勤労者退職金共済機構」と退職金共済契約を結んで共済契約者となり、建設現場で働く労働者を被共済者として、その労働者に交付される「共済手帳」に労働者が働いた日数に応じ共済証紙を貼り、その労働者が建設業界の中で働くことをやめたときに、当機構が直接労働者に退職金を支払うというものです。

「建退共制度では、労働者がいつ、また、どこの現場で働いても、働いた日数分の掛金が全部通算されて退職金が支払われるという仕組みとなっていて、労働者が次々と現場を移動し、事業主を変わっても、その先々の事業主のところで共済証紙を貼ってもらい、建設業で働いた日数は全部通算できるようになっています」ということが歌われています。

いままでは、アナログな運用ですので、「手帳にシールを貼る」というものでしたが、おわかりのとおり、それをデジタルで管理する方式に切り替えていくという方向性が示されています。

そのとき、活躍する予定なのが「建設キャリアアップシステム」です。建設業に関わるデジタルな内容を一元管理するシステムに向かっています。

いろいろ変遷があり、現在は、1日建設業の現場で働くと、310円ずつ掛け金を雇用主がこの国の機構に積み立てていく仕組みで、20年勤めると、退職時に約220万円の支給を受けることができるという仕組みになっています。

外国人技能実習生も建退共への加入が義務付けられます。ただし、3年間では、23万円です。帰国する際の何かの足しになればと思います。

(沖縄から梅雨が始まっています。アジサイが色づく季節になりました。これからの変化が楽しみです)