不思議な助成金

新型コロナの感染拡大防止の対策として、昨年から「テレワーク」が呼びかけられています。
大企業のなかには、これ以前から取り組んでいた会社もあるようですが、急な対応で、なかなか進まない会社が多いという報道があります。特に、中小企業では、それぞれが受け持っている仕事が個人の力量に依っているので、大企業のような集団作業で仕事をするのとはまた別の難しさがあるものと思います。
ですので、ブームと呼べば語弊がありますが、緊急事態や蔓延防止の期間が終わり、ワクチンが行きわたれば、多くの会社は「正常」に戻るものと想定しています。
そう思っていた矢先、新聞で「東京都がテレワーク促進助成金 10日受け付け開始」という記事を読みました。つまり、本日から、その「 テレワーク促進助成金」の申請を受け付けるというものです。
官庁は印鑑廃止や電子申請など、行政手続きのデジタル化を進めているところですが、企業にとって、テレワークは本質的に必要なものなのかどうか、あるいは、企業の特質や規模によって、単に、パソコンなどの機械の導入がネックになっているわけではなく、取引関係先とのコミュニケーションといっても通り一遍のネット上の取引ではなく、訪問して先方の要望を聞きながら、従来とは一味違うものを提供するなど、「デジタル化」が難しい部分を担いながらハザマを埋める役割なども中小企業の持ち味だと考えておりました。
今回の東京都の「 テレワーク促進助成金」は、水面下でそのような側面についての分析があったのかどうか、わかりません。
それ以上に気になるのは、「助成金の申請に当たっては、東京五輪・パラリンピックを見据えた交通需要マネジメント(TDM)のために都が進めている『2020TDM推進プロジェクト』への参加が条件」となっているという点です。
昨年から延期となった東京オリンピックの開催がどうなるのか、本当にやるのか、ということと少し切り離して考えたとして、オリンピックに関連した都市の整備や交通需要関係の整備のプロジェクトに参画していなければ、「 テレワーク促進助成金」の支給を受けることができない仕組みと新聞の文面を読んで想像しました。
かわったことをするものだというのが正直な感想です。
(お散歩でみかけた不思議な植物。エビの尾のようなと思っておりましたら、その名も「小エビ草(コエビソウ)」でした。)