SNSの誹謗中傷対策について

2月26日の報道で「ネット中傷の発信者特定を簡略化、法改正案を閣議決定…政府が国会に提出」というものがありました。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/26/news097.html

業務として、これまで、誹謗中傷を受けたのでなんとか対応してほしい、というようなご依頼をいただいたことはありませんが、行政書士試験のなかで「個人情報保護法」の関係で、「プロバイダー責任制限法」に関する出題もありましたので、多少、勉強しておりました。

今回の改正は、昨年の5月に、SNS上で誹謗中傷を受けて死去したとされるプロレスラー・木村花さんの事件をきっかけに検討されてきたものです。

すでに、昨年8月の時点で総務省の省令が改正され、SNSや匿名投稿サイトなどで誹謗中傷を行った投稿者の特定を容易にするために、プロバイダーに請求することによって、投稿者の投稿者の氏名やメールアドレス、住所などに加えて、電話番号も情報開示の対象として追加されています。

今回は、その請求の手続きを簡略にしようとするものです。

従来は、プロバイダー、すなわち、Webサイトの運営者や接続事業者を相手どり、仮処分申請や訴訟などを起こす必要がありました。改正後は、被害者の申し立てを基に裁判所が情報開示を判断するということになったということです。1回の手続きで済むので、被害者の負担軽減になるということです。裁判の手続きも不要です。

このようなケースをもとに、裁判所の手続きも変わりうるものだということで、勉強になりました。

そもそも、匿名性があるSNSでは今後も起こりうることかと思いますが、被害を受けた側の手続きが簡素になる方向ということは歓迎すべきことと思われます。

(かわいいイラスト、いらすとやさんからいただきました)