行政のDXについて(4)

行政手続きのデジタル化が進んでいくと、それにうまく乗って的確に情報をキャッチして必要なサービスを得られる人と、その流れから遮断されてしまう人の格差が生まれそうです。新型コロナ対策の各種の補助金や助成金の募集などが多数展開されていますが、必要な人のところにしっかり情報が伝わっているのか気になるところです。

昨日のニュースで「住民の情報格差の解消を図るため、東京都渋谷区は新年度、区内に住む高齢者に対し、スマートフォン約3000台を無償貸与する方針を固めた。同様の取り組みは一部の自治体で進められているが、これほどの規模は異例という」というものがありました。

記事によれば、「LINEとLINEペイを使って住民票の写しを請求できるなど、『来庁者ゼロの区役所』を目指している。新型コロナウイルス感染防止のために新しい生活様式が求められる中、行政のデジタル化を推進するには、スマホの操作に不慣れな高齢者への支援が不可欠と判断した」とのことです。

来庁者ゼロの区役所」とは、また、大きな看板を掲げました。

これをとりあげたテレビのニュースでは街の人の声として「高齢者に配布されても使いこなせるかどうか心配だ」というものがありました。

余計なお世話だと思いました。若者はどうかといえば、スマホで写真を撮ってインスタグラムにアップするなどの決まった操作を日々繰り返しているのではないでしょうか。高齢者にとっても、スマホを「使いこなす」必要はないのです。決まった手順にしたがって、限られた、必要な操作ができればいいのですから。

今回の高齢者へのスマホの無償配布は実証実験という位置づけだそうです。春一番ではないですが、各自治体が知恵を出して競い合う状況がすでに始まっている気配です。

(いらすとやさんからいただいた画像です)