この1年お世話になりました

日々、伝えられるニュースに対して、思うところをここに書いてきました。お付き合いくださった皆様、1年間、ありがとうございました。年内は本日までとし、年明けは、1月4日から再開する予定です。

新型コロナ関係の話題が多かった1年でしたが、様々な法改正が行われた年でした。ざっと、数点、振り返ってみます。

◎4月1日;民法改正のうち、債権法関係がこの日から施行されました。
◆保証人の保護に関する改正
・極度額の定めのない個人の根保証契約は無効になります。
・公証人による保証意思確認の手続きが新設されました。
◆定型約款を用いた取引に関する改正
◆法定利率に関する改正
・民事では年5%から3%に引き下げられ、市中金利の動向に合わせて法定利率が変動する仕組みになりました。
◆消滅時効に関する改正
・職業別の短期消滅時効の特例が廃止され、原則として5年になりました。
◆「意思能力」、「賃貸借」などのルールの明文化
・意思能力のない状態になった者が行った法律行為は無効
・賃貸借の際の敷金のやり取りや賃貸借終了後の借主の現状復帰の範囲が明文化

◎7月10日;法務局における遺言書の保管等に関する法律が施行
◆自筆証書遺言を法務局が保管してくれる制度がスタートしました。
・お試しに、私自身の現時点の遺言書を作成して実際に法務局に保管していただきました。3,900円で、死亡日から50年間、保管してくれるものです。

◎10月1日;建設業法改正
◆建設業の働き方改革の促進
・注文者に、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止することなど
◆建設現場の生産性の向上
・工事現場の技術者(元請の監理技術者・下請の主任技術者)のルールを合理的にすることなど
◆持続可能な事業環境の確保
・許可要件から「5年以上の経験者」を除外し、経営業務管理責任者に関するルールを合理的にすることなど

◎10月1日;電帳法規則改正により、電子取引に係るデータの保存義務の要件が緩和
◆電子取引を行った場合、次のいずれかの措置をとれば、電子データのまま保管してもよいこととなります。
・電子データにタイムスタンプが付された後、その取引情報のやりとりを行うこと。
・電子データを訂正・削除したときは、これらの事実と内容を確認することができるシステムか、訂正又は削除を行うことができないシステムを使用して、その取引情報のやりとりと保存を行うこと
--ただし、実務上は、電子取引を扱っておりませんので、このご利益は直接感じておりません。確定申告に付随する紙の領収書などがいずれ保管不要になることを期待したいと思っております。

一方、「印鑑廃止」の流れによって、様々な行政手続きの簡素化が検討されています。大きな変革のときなので、引き続き、しっかりとフォローしていきたいと思っております。

(公開されているスタジオジブリの「コクリコ坂から」の画像をいただきました。本文とは関係ありません)