民法改正による建設業の現場実務への影響(その2)

民法が改正され、債権関係ではいくつかの点で、これまでと大きく認識を変える必要が生じる条文があります。昨年、電気施工管理技士の10年目の更新時研修を受けた際のオマケのサービスで、実務面に関する法改正の留意点に関するメールが届きました。

①譲渡制限特約について
②契約不適合責任について
③契約の解除について
④契約不適合責任の担保期間について

この4項目です。本日は、「契約不適合責任について」以降の内容をみていきたいと思います。主に「建設工事標準請負契約約款」に関する注意点です。

まず、大きな点は用語の変更です。民法に明るい方は「瑕疵」という言葉を聞いただけで、何を意味するのかピンとくるはずです。しかし、日常生活ではなかなか登場しない言葉です。今回の改正で、これが「契約の内容に適合しないもの」という言葉に置き換えられています。本年度以降、民法を勉強する人は、旧い契約書を紐解く場合を除いて、「瑕疵」あるいは「瑕疵担保責任」という言葉を使わないで済むことになります。

その「種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの」に関する内容として、「その場合の責任として履行の追完と代金の減額請求が規定されたことを踏まえ、約款も同様の変更を行った」とあります。

納入あるいは引き渡されたものが種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合には、①履行の追完(最後までやり遂げるよう求めること)と、②代金の減額請求権が認められたとされています。これまでは「隠れた瑕疵」に限った規定でした。改正に伴い、契約上の不適合を問題にする場合には「隠れた」ものであるかどうかは問題にする必要がなくなりました。

また、「契約不適合責任の担保期間について」ですが、改正民法で「木造等の工作物又は地盤や石造、コンクリート造等の工作物といった材質の違いによる担保期間は民法上廃止されたことを踏まえ、約款において契約不適合の責任期間を引渡しから2年とし、設備機器等についてはその性質から1年とした。」ということです。これも、すっきりとしたものになりました。

すでに、本年度からこの改正民法が適用されることになりますので、資格試験の場面では旧法の内容は暗記する必要がないことになるのですが、現場の実務面においては、過去に契約されたものに関しては、その契約によって縛られることになりますので、しばらくのあいだ、新旧の相違点についても留意する必要があることになります。

(写真は「写真AC」のまぽ (S-cait)さんからいただきました)