印鑑不要に代わるもの;官庁の中はどうなのか

「印鑑不要」に関して、三文判と実印では重さが違う、それぞれの目的に応じて、デジタルに移行する際に、すんなり「無し」で済むものと、周到な代替手段が必要なものと整理されていくものと思われます。

ところで、先日、用があって都内の警察署に行ってきました。窓口では「道路使用許可」の申請書類に対して、記載内容を確認した、という趣旨なのか、職員の方がたくさんの箇所に押印していました。また、申請者に渡す許可証と警察署の控えに「割印」を押す場面もありました。こういう手続きは、「印鑑をなくす」という改革のなかに含まれるのかどうか気になりました。

もちろん、市民が行う行政手続きの簡素化が主目的だと思いますが、けっこう、官庁のなかでの書類の流れに沿って、ここまで確認したので、次に回す、というような機会に担当者が押印するケースは多いものと思われます。そのようなものが、直ちに、オールデジタルに切り替わって、サラサラと手続きが進めば最高ですが、なかなか、ハードルはあちこちにあるような気がしております。ともかく、手の付けられるところから始まるものと思われます。

一方、日本特有の、すべてが画一化された手続きではなく、地方には地方の流儀があり、それぞれ独自のやり方で自治が行われている部分があり、したがって、行政手続きの書類削減や印鑑廃止の方向性は共通であっても、やるべきことが末端ではかなり毛色が異なるのではないかという点が気になっております。少し、様々な自治体の取り組みを勉強してみたいと思います。

(イラストの著作権はジブリです。本文とは関係ありません。「ハウルの動く城」からいただきました)