ハンコにまつわるあれこれ
長く続いた「印鑑」の文化ですので、皆さんもそれぞれに、ハンコにまつわるエピソードをお持ちかと思います。私もひとつあります。たいした内容ではありませんが、本日は、それを書かせていただきます。
ずいぶん前のことになります。ちょうど、ダイアナ妃が亡くなった年で、その年の9月に仕事で英国にいく機会がありました。亡くなったのが8月末でしたので、教会にたくさんのお花が供えられていたのを覚えております。
そのこととは関係ありません。英国の入国審査です。それまで、パスポートに入国・出国の際にはスタンプを押してもらっていました。この回は、制度が変わったのか、「目的は?」などの簡単な質問のあと、通ってもよい、という指示を受けました。
バン!と、大きな音のするスタンプを期待していたので、肩透かしのようなものです。
すみませんが記念にしたいので、その机の上にあるスタンプを押していただけませんか。(というようなことを身振り手振りで伝えました。英語でなんと言ったかは覚えておりません)
入国審査官の人は、「All right!」と、ニヤっとわらって、従来のように鮮明にスタンプを押し、その横に、「for request」と書き添えました。たぶん、スタンプを押すケースは特別な事情、あるいは特定の国など、条件があったのかと思います。無邪気な外国人のために、粋な計らいで応じてくれました。
いつのことだったかと、ウィキペディアで調べましたら、ダイアナ妃が亡くなったのは、1997年8月31日、23年も前のことでした。
しばらく忘れておりましたが、今回の「日本の行政手続きから印鑑を一掃する」という流れのなかで、思い出した次第です。
制度が変わると、「そこは印鑑を押してはダメ!」というような窓口のご指導になるのでしょうか。フレンドリーな対応を期待したいところです。
(ダイアナ妃の写真を貼りたいところですが肖像権の関係で使えませんので、今回もジブリのイラストを使わせていただきました。「思い出のマーニー」から)