シンガポールのビザ政策からわかること

昨日の日経新聞に「シンガポール、早慶卒もビザ厳格化 邦人駐在員3割減も」という記事が掲載されておりました。読まれた方もいらっしゃることと思います。

「早慶」に目が行きますが、重要な点は、専門職といえども外国人の入国を減らして、自国民の就労者を増やすという政策をとっているということです。シンガポールの事例です。

その手法として、「専門職」というからには、会社から一定水準以上の給与が支給されているはずだ、そうでないならば、単なる頭数要員に過ぎないので、入国に際してビザを発給しないという政策です。

その一定の水準というのが、「30歳で月50万円」というものです。この政策がとられると、どういうことになるかと言えば、そんな高給を支給していない会社はシンガポールで働くための「専門職ビザ」を支給されなくなる、という門前払いを経て、「1~2年後にシンガポールの日本人駐在員が2~3割減る可能性がある」ということです。

ただでさえ、新型コロナの影響がいろいろあるなかで、各国とも必死でそれぞれの国民の雇用を確保しようとすれば、こういう手法に打って出ざるを得ないということかと理解しました。

「シンガポールに住む日本人は約3万7千人と、これまで東南アジアではタイに次いで多かった。だが、新型コロナウイルスの発生を機に駐在員の役割の見直しも進む見通しで、今後は現地人材の育成にカジをきる日本企業が増えそうだ。」と記事は結んでいます。いろいろな変化があります。

我が国の場合でも、出入国在留管理庁のホームページに以下の内容が記載されています。

「人は様々な社会活動を行い,社会生活を営むものであり,外国人が我が国で行おうとする活動の目的 ・内容は在留中に変更されることもあります。そこで,外国人の行う活動が我が国の社会に与える影響等を判断し,適正な外国人の管理を行うためには,入国 ・出国のみではなく,在留の管理も必要となります。

我が国に在留する外国人は,決定された在留資格の許容する活動範囲を超えたり,活動内容を勝手に変更して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を伴う活動を行うことはできません。」

観光と異なり、それぞれの国の社会、経済活動に関係する以上、出入国は自由に往来できるものではなく、当該国にとって利益があるのかどうかを判断の基準として厳密に管理されるものだということを改めて感じた次第です。

(写真は、 ハム蔵さんによる「写真AC」からいただきました)