よろこばしい「建設キャリアアップシステム」の費用負担問題の決着
8月31日付の建設工業新聞に「日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の追加開発費用を負担する方針を決めた。国土交通省から支援要請のあった8億円を全額拠出する。技能者の処遇を改善し担い手を確保する上で必要不可欠な制度インフラとして費用負担を決断した。」という記事が掲載されています。
ひとつ、安心しました。あらためて詳しく解説しますが、一連の建設業労働者の処遇改善の一環として、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入があります。全国の技能者にどの現場でどういう施業に就いたかを日々記録し、その実績を根拠に将来の昇給、すなわち、キャリアアップに活用しようというものです。
この制度は昨年(2019年)から始まったばかりですが、制度の普及に追加費用がかかり、それをすべて加入者が負担するとなると、中小事業者が加入することに二の足を踏んでしまうという心配がありました。今回、業界団体である日建連が8億円を全額負担することで決着したものです。
お金を出す以上は口も出すということで、それと引き換えに国土交通省に要望を提出したということが記事になっています。
「技能者登録で現行の煩雑な審査事務の簡素化や登録事項の見直しが必要とし、技能者や小規模事業者の代行登録事務の負担を軽減すべきだとした。2023年度からのCCUS完全実施に向け、先行する直轄工事に続き、地方公共団体や独立行政法人らが発注する全工事に対しても、義務化に必要な措置を求めた。業界の資金支援は今回が最後と念を押し、国交省として表明するよう促した。」
同感です。私も関わってみて、加入登録のためになんでこんなにたくさんの書類やデータが必要なのかと感じています。
こういう制度は、より手続きを簡素にして、全員加入できることが一番だと思います。今回の主張(①手続きの簡素化、②小規模事業者の負担金軽減、③地方の工事等も義務化)が具体化されることを期待したいと思います。
(写真は、acworksさんによる「写真AC」からいただきました)