行政のデジタル化;先進国について思うこと

国民に一律10万円を支給する「定額給付金」の際に、この国は、行政内のデジタル化が本当に遅れてれていると感じました。

政府が7月17日に閣議決定した「骨太の方針」で社会のデジタル化を推し進めることが書かれています。現時点のデジタル化の世界ランキングで日本は10位以下となっています。

それでは、上位の国では、どういう仕組みになっているのか気になっておりましたら、世界1位の「デンマーク」について書かれた記事がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/77a1c72b515dfb09eea6fcd8a7a3777c3f76ca4d

17日のYahooニュースですが、オリジナルは、FRIDAY DIGITALのものです。

「コロナ対応「デジタル先進国」デンマークと日本の驚異的な差」という記事です。「デンマークでは、日本のマイナンバーカードにあたるCPRナンバーが生まれてすぐ付与されます。10ケタの数字で、デンマークでは、これがないと何もできません」銀行口座の開設をはじめ、免許取得やクレジットカードを作るのにもCPRナンバーは必要。病院で診察を受けるのも、図書館を利用するときも、交通系ICカードの購入にも、DVDなどを借りるときも、携帯電話を契約するときも、とにかく個人を特定するサービスをうけるときには必ずCPRナンバーカードの提示を求められるとのことです。

国民全員が、この番号で生活している実態がよくわかります。まさに、これから目指す姿だと思います。

それでは、一人ひとりへの番号の付与はどうなっているのかといえば、「助産婦さんが市民が1人誕生したという通知を政府に報告すると、すぐシステムに組み込まれるんです。その時点で、デンマーク人としての権利も保証され、たとえば児童手当など申請しなくても3ヵ月後に母親の口座に振り込まれます」

なるほど、出生とともに、すなわち、入口から番号で始まるということで、これは、ぜひ、取り入れてもらいたいと思いました。

我が国の手続きに戻りますが、10万円の「定額給付金」をマイナンバーカードで申請した人は、多少のわずらわしさを感じませんでしたか。マイナンバーカードに埋め込まれている磁気情報をわざわざスマホにかざして認証する手順が必要でした。

このような「操作」が必要なうちは、「デジタル」ではないと思います。

例えば、Amazonで本屋や雑貨を頻繁に買う人は、クレジット決済をするはずですが、その際、手元にいちいちカードが必要かといえば、前回のカード番号が入力されていて、「はい」のボタンを押せば簡単に代金の決済ができる仕組みになっているはずです。

デジタル化とはそういうもので、現場に磁気カードを持って行って、特殊な装置に読み取らせて初めて「本人確認」ができる、という仕組みは、「印鑑」が「カード」に変わっただけで、まだまだ、アナログだと思うのです。

振込口座番号に関しても、これまで、市町村民税か水道料金引き落としに使われている口座を入力することになっています。つまり、扱う省庁は異なりますが、「お上」に口座番号は通知されているのです。その壁を取り払えば、ものものしく、「政府が全員の銀行口座をひとつ管理する」というようなことにめくじらを立てなくても済むような気がします。

別の機会にきちんと書きたいと思いますが「個人情報保護法」というのは、たいへんな障害になっているように思います。

先ほどの「デンマーク」の記事の終わりに、「国民は政治を信頼し、政治家がそれを裏切るようなこともない。デンマーク人はみんなそう思っていると言う。」とデンマーク在住の人の感想が書かれています。

案外、日本でデジタル化が進まないポイントはそういう点にあるような気がしております。ともかく、この際、時間軸を定めて、取り組みが加速するrことを願っています。

(写真は、coji_coji_acによる「写真AC」からいただきました)