ここにも、クラウドファンディング

復興庁からこんなチラシが出されていました。

「東日本大震災からの復興に取り組む事業者、民間団体、市町村等のみなさま」宛に、「あなたもクラウドファンディングで資金調達に挑戦しませんか?」という内容です。

あれれ、東日本大震災は甚大な被害でしたので、その復興に広く国民が費用を拠出するという目的で「復興特別税」が設けられていたのではなかったか。

「東日本大震災からの復興に当てる財源の確保を目的として所得税、住民税、法人税に上乗せするという形で徴収される。 所得税は2013年(平成25年)1月1日からの25年間、税額に2.1%を上乗せするという形で徴収される。」というものです。

来年、2021年は震災から10年目を迎えるので、そろそろ、この税金も財源が尽きるのかと心配しましたが、そうではなく、「実施期間は平成25年(2013年)から2037年までの25年間」となっていますので、大丈夫です。

納税者全体の平均年税収は3,772億円(平成27年)でしたので 25 年間では 94,000 億円程度の税収を予定していました。あるいはコロナ影響で所得が下がり、結果として、復興税収も落ちることを見込んでいるのかもしれません。

主にこの税収は護岸や道路の再建、大規模な盛土などの土木工事に向けられるので、チラシで呼びかけているような個人の事業主には資金が回らないという実態があるのかもしれません。

いずれにしても、復興からの自立を考えたとき、昨今のインターネットを活用し、賛同が得られる人からクラウドファンディングの手法で資金を調達するということは、良い方向性だと思います。判で押したような「お役所仕事」ではなく、震災復興のエリアにあっても、それぞれ、やりたい事業は千差万別だと思いますので。

今回の復興庁の企画は、いままで経験のない人にも、クラウドファンディングのやり方を教えてくれる事業のようです。

震災復興エリアに限らず、日本のあちこちで、コロナ後に、このような「クラウドファンディング」が乱立するのかもしれません。

では「税金ってなんだ?」とちょっと考えてしまうところです。