コロナ後に「人が集う」ことについて(その1)
少し「3密」と「公園」の関係について考えてみたいと思います。
コロナ後も「新しい生活様式」ということで「3密を守るべき」という漠然とした共通認識がありながら、例えば「公園に集まること」をイメージしてみます。
「密閉」密閉とは窓がなかったり換気ができなかったりする場所のこと。では、外の公園はクリアされています。
「密集」密集とは、人がたくさん集まったり、少人数でも近い距離で集まることです。前者はテーマパークや大型の商業施設が該当します。公園は集まり過ぎなければ問題なしか。
「密接」密接とは、互いに手が届く距離で会話や発声、運動などをすることを言います。「グループでのランニングやウォーキング」は抵触しそうです。この場合「マスクやフェイスシールドを付けること」で防御することが暗黙の約束ごとです。
そうすると、「テーマパーク」などはさておき、「地域の公園にお互いに気遣いながらマスクを着けて集まる」ということは問題ないことになるのか。
3月、4月は感染者が増加し始める時期でしたので、せっかくのお花見シーズンでしたが、「お花をみながら公園を素通りするのはOKだが、地面にブルーシートを敷いて飲食するのはNG」とされました。
さらに深刻度が増してくると、きれいなお花を求めて人々が密集するのを避けるために公園を封鎖したり、「お花見は来年もできる」として、公園管理者がお花を刈り取ってしまう、というさらに踏み込んだ対策も取られました。
さて、この点にこだわるのは、2018年の「都市公園法改正」で、「社会の成熟化、市民の価値観の多様化、都市インフラの一定の整備等を背景とし、緑とオープンスペースが持つ多機能性を最大限引き出すことを重視するステージに移行すべき」として、この分野でも、「民間活力による新たな都市公園の整備手法を創設し、公園の再生・活性化を推進する」ということが大胆に取り入れられました。
例えば、遊具やベンチだけポツンとあって、人が寄り付く気配のない「もったいない土地」が「公園」と呼ばれていたりします。たまに小学生が遊んだりしますが。
この種の広場では禁止事項がたくさんあります。「犬を連れていってはいけない」「球技はダメ」「昼間でも寝転ぶのはいかん」「バーベキュー禁止」など。
せっかくの市民共通のスペースなのだから、この土地に「民間」の力を入れて、上記のような要望も満たせるエリアを併設することによって、公園全体が格段に魅力ある、通う価値のあるスペースに変えることができる、という趣旨の法改正でした。
コロナ後、この2年前の法改正の向かう先が気になります。たいへんな経験をしたことを踏まえ、「コロナ以前」には想定できなかった、さらに魅力的な空間を創出できるかどうか、ということかと思います。
このような視点がなければ、「地方へ旅行すれば2万円の割引が得られる」などの「GO TO キャンペーン」では、長続きする本物の、経済面での活況を作り上げることができないのではないかという気がしてなりません。
この問題は、もう少し、追いかけてみたいと思います。
(この写真は国土交通省の「都市公園法改正」から切り出しましたが、どこにでもありがちな公園の標識だと思います)