コロナ後の「新しい生活様式」の新たな発見
緊急事態宣言が5月まで延長になり、かつ、感染者が少ない県が部分的に緩和されたわけではなく、全国一律のままとなっています。その背景には、外出自粛を部分的に緩和する県が現われると、感染者が多い、東京都や大阪府から大挙して移動してくるであろうし、それらの地方の県はただでさえ医療施設が十分ではないので、医療崩壊を招きかねないという配慮があるものと思われます。
そうであれば、都市部から地方への「移住」を目玉にしていた「地方創生」の政策は、大幅なな見直しが必要になるのではないかととらえておりました。
ところが!
つい、昨年まで、内閣府特命担当大臣(地方創生担当)で、参議院議員の片山さつき先生のインタビュー記事、および、それに関連する政府の広報資料を目にする機会があり、ちょっとした驚きがありました。
まず、片山先生のインタビュー記事はここにあります。
https://www.projectdesign.jp/202006/point-of-localstrategy-2nd/007893.php
本年、2020年度から「まち・ひと・しごと創生総合戦略」第2期がスタートするという大事な局面でした。その内容がいろいろ展開されています。
◆東京一極集中の是正と持続的な活力ある地域社会の実現という、第1期の方向性は引き継ぎ、「多様な人材の活躍推進」、「Society5.0や地方創生SDGsなど新しい時代の流れを力にする」、という2つの横断的目標が追加された
というものです。
地方への「移住」はそう簡単に進むものではないため、定住にこだわらず、都市部から地方への行き来を伴う事業を活発にして、「関係人口の創出・拡大」と称する、人の行き来を盛んにする、企業版「ふるさと納税」なども織り込まれています。
やはり、「人の行き来」がカナメになる以上、コロナは相当、痛手になるのではと心配しましたが、片山先生は強気です。
「新型コロナウイルスによって、これまで越えられないと思っていた規制の壁を越えて、Society5.0が現実化していると言えます。また、『スーパーシティ』が防災や防犯と相性が良いことはわかっていましたが、新型コロナウイルスによって、防疫という切り口も考える必要があることがわかりました。例えば、マスクや消毒液の在庫をIoTで管理して、そのデータをAPIに載せれば、必要なところに優先的に配布することができます。ウイルスに苦しんだ分、学ぶこともたくさんありました。今後はそれを検証して構想に役立てていきたいと思います」
半信半疑で、その後の政府の資料を見て、さらに驚きました。以下のような「コロナ後」を見据えた、地方の取り組みが具体的に展開されています。
内閣府地方創生推進室(令和2年5月1日)の「新型コロナウィルス感染症対応 地方創生臨時交付金の活用事例集」という資料です。
明日以降、この内容を詳しく見ていきたいと思います。