コロナに負けない;政府の施策を正確に理解したい
昨日、政府は緊急事態を全国に拡大しました。どんどん事態が進展しています。あれこれ評論するだけの「報道」はそれに追いつけなくなるのではないかというほど、予想しにくい展開がこの先もあるのではないかという気がします。
韓国で行われた4月15日の総選挙では、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の党が勝利を納めました。新型コロナウィルスの感染拡大を封じ込め、全世帯の7割にあたる1400万世帯に最大100万ウォン(約9万円)の緊急災難支援金を支給する政策を打ち出したことなどが功を奏したと報道されています。
選挙なので与党の主張もあれば反対に野党の主張もあるはずなのに、かなり正確に韓国政府の方針がはっきり伝わるということに違和感を感じませんか。
同様に、米国のトランプ大統領の政策は逐一報道されており、いい悪いの評論はさておき、緊急事態に対してとっている政策、中国寄りのWHOへの拠出金を停止することなど、詳細に理解することができます。
ひるがえって、日本にいながら、日本政府が取ろうとしている政策の意図について何か知りたいと思ったとき、結局、経済産業省や厚生労働省が発信するホームページを紐解かなければ何もわからない、ということを感じます。
在宅勤務で家にいる機会が多く、テレビのワイドショーなどをさほど見たいわけではないのですが、かかっている番組をみると、どれも、判で押したように、批判するコメンテーターや医療評論家を登場させています。
政府が特定の意図をもって独走しないためには、あらゆる角度から検証するという意味で、いろいろな見解を持った方が批判するという取り組みは、たいへん大切なことだと思います。しかし、マスコミの報道は新聞も含めて、それで埋め尽くされているように思えてなりません。外国の政府の方針ならば100%ストレートに伝えられてくるのに。
米国にも、トランプ政権の政策に反対する立場の声もたくさんあるのだろうと思いますが、それを浄化して、まず、まっすぐに米国政府の意図が報道される。韓国の場合も同様です。今回の選挙で保守派が分裂して文在寅大統領の党が多数の議席を確保したとはいえ、それに反対する政党の主張は上手に割愛されて届きます。
新型コロナウィルスの感染拡大防止で緊急事態宣言が出された今、もう少し静かに、政府がどういう判断をしてこの政策を打ち出したのか、事態が進展した場合に次にどういう手を打とうとしているのか、そのような政策立案者の意図をそのまま正確に報道する、政府報道のチャンネル、あるいは、政府報道の時間、というようなものを設けられないものだろうかと思います。
政府が今回、布マスクを各家庭に2枚郵送したことについても、どういう判断でこの施策に決まったのか、中途半端な現象面で「アベノマスク」と政府を揶揄する声ばかりが聞かれ、真意はわからずじまいです。
今のマスコミは、知りたいことを流してくれないのであれば、どうしても、直接、各省庁のホームページをじっくり読むしかないということになるのでしょうか。
ついでながら、緊急事態宣言が出され、一般の会社は出勤者は8割減らしなさいと言われているのに、テレビの番組は、見かけ上、キャスターが他の部屋にいる仕掛けを用意したり、出演者の椅子を離したりの工夫をしていますが、コロナ禍の前とほとんど変わらない番組が繰り返されています。番組そのものを大幅にカットしなければならないような危機感がテレビや新聞から伝わってこないのが、たいへん残念です。
(写真は、tomonさんによる写真ACからいただきました)