令和になって変わるもの;著作権についての新たな課題

新型コロナウィルスの影響は落ち着く見通しに至らず、特に、東京での新たな感染者数が急増し、都知事から週末の外出自粛要請が出ました。来週からは新年度になりますが、行政に携わる皆さんもたいへんな状況になっていることと察します。

この4月1日から、「意匠法」が明治以来の大改正になります。
「日本で意匠条例が制定されたのは130年ほど前、明治時代のこと。そのとき以来、意匠権として法律で保護され、独占できる対象は「物品(=有体物である動産)の形状や色彩など」に限られていました。しかし近年、IoT・AIなどの新技術の発展により、デザインの対象や役割が広がってきており、現在の意匠法による保護では十分ではなくなってきていました。」という趣旨で対象が拡大されます。
特許関係は弁理士さんの領域なので、これ以上深入りしませんが、一方、著作権は行政書士が扱うことのできる分野です。この著作権を巡ってもいろいろな法改正の動きがあります。それをおさらいしておきます。

ただし、著作権についての大きな改正は、昨年、つまり、平成31年1月1日に施行されています。それに追加するものとして、令和2年の今国会に著作権法の改正案が提出されています。2段階になっています。

まず、昨年施行された改正点は、一言でいえば「デジタル・ネットワーク技術の進展により、新たに生まれる様々な著作物の利用ニーズに的確に対応するため、著作権者の許諾を受ける必要がある行為の範囲を見直し、情報関連産業、教育、障害者、美術館等におけるアーカイブの利活用に係る著作物の利用をより円滑に行えるようにする。」という点でした。
つまり、他人の著作物(例:小説、論文、新聞、写真、美術、音楽、映画、コンピュータプログラム等)を利用する場合、著作権者の許諾が必要なのですが、法律で定める一定の場合は、許諾を得なくても自由に利用することが可能となっています。その範囲に関する改正でした。
①ビッグデータを活用したサービス、②学校の授業や予習・復習用に、教師が他人の著作物を用いて作成した教材をネットワークを通じて生徒の端末に送信する行為、③肢体不自由により書籍を持てない方のために録音図書の作成を許諾なく行えるようにする、④美術館の展示作品の解説・紹介用資料をデジタル方式で作成し、タブレット端末等で閲覧可能にすることを許諾なく行えるようにする、このような時代の要請にそった、許諾不要の範囲の拡大に関するものです。

一方、今国会に提出され、審議が行われるものは、インターネット上の海賊版対策、すなわち、違法にアップロードされたものだと知りながら侵害コンテンツをダウンロードすることについて、私的使用目的であっても違法とすることなど、いくつかの著作物の利用の制限に関するものです。審議はこれからですが、法案が成立すれば、施行日は本年度と令和3年からになるものなど一律ではありません。国会の審議の経過をながめながら、この点についてはあらためて深掘りしたいと思います。

気になるのは、新型コロナウィルス対策はじめ様々な課題があるなかで、国会運営がどうなるのかという点です。特に、今年の改正案は利用する側の制限に関するものが多いようなので、十分な時間をかけて審議していただきたいと思います。

(写真は、ももらさんによる「写真AC」からいただきました)