新型コロナウィルスの水際対策の新たな措置

新型コロナウィルスの猛威はおさまらず、感染者は、昨日、3月5日の時点で、中国で8万人を超え、韓国も5千人超に上っています。
政府は「いまが正念場」ということで、新たな入国制限の措置が発表されました。その内容と法的な根拠をまとめました。
これまでの対策に加えて今回の措置は一段と厳しいものです。

◆中国・韓国からの入国者は指定する場所で2週間待機し、公共交通を利用しないよう要請

◆中国・韓国からの航空便の到着は成田、関西に限定し、船舶の旅客運送を停止するよう要請

◆中国・韓国の日本大使館などで発給された一次・数次ビザの効力を停止

◆香港・マカオ、韓国に対するビザ免除措置を停止

◆韓国やイランの一部地域を入国拒否の対象に追加
(韓国の慶尚北道の一部地域やイランのコム州などに滞在歴がある外国人を対象に加える。これまでは中国の湖北、浙江両省や、韓国の大邱市と慶尚北道清道郡を対象としていた。)

これらは、感染症法に基づいて新型コロナウイルス感染症を「指定感染症」に指定したためであり、特に、ビザに関しては、法務省が「ビザの原則的発給基準」というものを定めています。
その基準のなかに「申請人が入管法第5条第1項各号のいずれにも該当しないこと」という条項があり、結局は、「入管法第5条第1項」が規制の拠り所になっています。
〇出入国管理及び難民認定法(入管法)
「第五条 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。
一 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に定める一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症の患者又は新感染症の所見がある者」
日本国内でも感染者が千人を超えており、施策の重点は各種イベントの自粛や小中高校の休校などの感染拡大防止に置かれています。入国制限などの水際作戦は、並行して、これ以上、国外から感染者を入れさせないという方針に基づくものと思われます。
主な措置は、3月末までとされています。その見通し通り、あと3週間ほどで収まることを願いたいものです。

(写真は、たくあんとくもりさんによる「写真AC」からいただきました)