特定技能外国人材の受入れについての経済産業省の最近の取り組み

各産業分野における人材不足を補うために、技能実習ではなく、必要な技能と日本語能力があることを試験で確認し、日本人を雇用する場合と同水準の賃金で処遇するとされる「特定技能」の受入れが昨年から始まっています。
そのためには、送り出す国との間で試験の要領を決める必要があります。介護などの分野は先行していますが、各省庁別にそれぞれの産業分野の整備をしているところです。

経済産業省から、このほど、3分野についての取り組み状況が公開されました。3分野とは、以下の各産業であり、人数は5年間の採用目標です。
・素形材産業; 21,500人
・産業機械製造業; 5,250人
・電気・電子情報関連産業; 4,700人

また、今回の制度では、「技能実習制度」の反省を踏まえて、一つの会社に縛られるものではなく、一定の条件下で転職を認めています。経済産業省の分野に関しては、以下のような転職が可能です。
例:「鋳造」の業務区分;「素形材産業分野」の事業者と雇用契約締結
①同じ分野内 (素形材産業 → 素形材産業)
②業務区分で認められている分野 (素形材産業 → 産業機械製造業)
これは、「産業機械製造業」のなかにも「鋳造」の業務区分があるから認めれれているものです。
したがって、例えば、「鋳造」の業務区分がない、「電気・電子情報関連産業」には転職することができません。
また、日本人を採用する場合と同水準の処遇であれば、「日本人が通常従事する関連業務に付随的に従事すること」は差し支えありません。例えば、
① 原材料・部品の調達・搬送作業
② 各職種の前後工程作業
③ クレーン・フォークリフト等運転作業
④ 清掃・保守管理作業
このような「関連業務」に外国人を就かせることは問題ありません。ただし、専ら、「 清掃・保守管理作業」だけ、というように、「関連業務」だけに従事することは認められません。
--など、かなりきめ細かいことがあらかじめ検討されています。
3月21日、22日にフィリピンにて溶接を除く18職種の試験が実施される予定で、そのための試験要領も公表されています。
ただ、今現在の「新型コロナウィルス」の関連で、国際間の取り決めがどの程度、影響が生じるのか気になるところです。
(写真は、小平次さんによる「写真AC」からいただきました)