成果連動型民間委託(PFS)とは?

行政の様々な業務を民間に委託するいくつかの形態があります。
成果連動型民間委託(PFS)もそのひとつです。PFSとは、そのものずばり、「PFS:Pay for Success」です。
「行政の民間委託契約で、事業の成果に応じて支払額が変動するものをいう。成果目標をあらかじめ定め、その達成の度合いなどを評価し、支払額を決定する。民間の創意工夫が促される一方、適切な目標設定や客観性のある評価方法などが課題となる。」とされています。
2020年2月3日、都内で内閣府主催による「PFSセミナー」が開催されました。この制度の普及を目指し、関係省庁の取り組みや先行事例が紹介されました。
「PFSの普及促進は2019年6月に政府が閣議決定しており、医療・健康、介護、再犯防止の3つを重点分野として2022年度までのアクションプランを2019年度中に策定することが決まっている。セミナーでは内閣府、厚生労働省、経済産業省、法務省から担当者が登壇し、各府省とPFSの関わりや直近の取り組み状況を説明した。」ということで、少し、この新しい制度の取り組みをみていきたいと思います。

どういう場合にこの「成果連動型民間委託(PFS)」が有効か、3つのケースが示されています。
①民間事業者に新しい技術やノウハウの蓄積等があり、行政が直接実施する場合よりも事業の効果的・効率的な実施が期待できる場合
②支払額等と成果指標の改善状況を連動させることが民間事業者の事業意欲を向上させ、それにより事業成果の大きな改善が期待できる場合
③事業実施中の状況等の変化に応じて、実施体制やその手法について、行政では難しい柔軟な変更が必要・有効である場合
要約すると、①民間に技術がある、②大きな改善が期待できる、③状況の変化に柔軟に対応、ということがこの制度を使って民間に委託メリットとしています。
具体例として、2例挙げられています。
「AIを活用したオーダーメイドの大腸がん検診受診勧奨の実施による受診者の増大」
「生活保護受給世帯に対する柔軟なアウトリーチと就労支援の実施による自立世帯の増大」
これはあくまで例題ですが、どちらも、従来の行政サービスでは行き届かないところを拡大しようという試みのように受け取りました。
セミナーでは、厚生労働省、経済産業省、法務省の具体的な取り組み方針が説明されていますので、引き続き、要約していきたいと思います。