特定技能在留外国人の統計データから地域・産業別の特徴をみる
法務省から、3か月ごとに、特定技能在留外国人の人数が公表されています。先ごろ、その12月末の数字が公表になっています。6月末;20名、9月末;219名という出だしでしたが、12月末;1,621名、また、14の分野のうち、最近基準が定まった「航空分野」以外は、この資格の在留外国人がカウントされており、ようやく、統計的にながめることができる人数になってきました。総数以外にも、国別、分野別の数値が公表されていますので、少し、特徴をみていきたいと思います。
まず、都道府県別の上位3位は、愛知県;127名、埼玉県;112名、大阪府103名となっています。外国人技能者の採用に関しては人材不足を抱えている事業者が率先して取り組むものと考えられますので、都市部に集中するという予想のとおりです。これに、東京都;94名、群馬県;86名、北海道;85名と続きます。
ちょっと意外なのは「北海道;85名」です。産業別の内訳では、85名のうち、農業分野;48名となっており、農業分野では全国トップとなっており、納得がいきます。ちなみに、次に農業分野で多くの外国人を採用しているのは、熊本;29名となっています。
産業別で特徴がある点としては、総数で比較的上位の埼玉県;112名のうち、内訳で多いのは、飲食料品製造業分野;82名となっています。同様に、群馬県;86名のうち、飲食料品製造業分野;42名と続きます。企業名まではわかりませんが、埼玉県、群馬県あたりに工場を持つ飲食料品メーカが積極的に外国人技能者の採用に向かっている様子がみてとれます。
国別でも、総数1,621名のうち、56%を占めるのが、ベトナム;901名。そして、その最大人数の分野は、飲食料品製造業分野;407名となっています。
まだ、制度がはじまったばかりですが、一つの地域のある企業は労務管理の面でも、様々な国から広く技能労働者を採用するのではなく、特定の国に絞って、まとまった人数の採用を行っているという構造がみてとれます。
「ベトナム⇒飲食料品製造業分野(実は特定の企業)⇒工場のある埼玉県、群馬県、茨城県」のように、だんだん、県別、分野別の色分けが浮かび上がってきます。それぞれの企業に配属されたあとのフォローという点も、このような国別、分野別の特徴に注目していきたいと思います。
(写真はacworksさんによる「写真AC」からいただきました)