就職氷河期支援;行政書士に何ができるか
「就職氷河期」とは、概ね1993(平成5)年~2004(平成16 年)年に学校卒業期を迎えた世代を指す、というのが政府の定義です。10年刻みでも5年刻みでもなく、はっきりしている年度なのは、その前後の期間は政策の変更によって、こういう事態を招いてないからだと思います。
1990年が「バブル経済崩壊」の年とされています。それ以前は、とにかく景気がよく、求人も引く手あまたでした。また、2000年代半ばの輸出産業の好転で、雇用環境は回復し、2005年には就職氷河期は一旦終結した、とされています。
ただし、「経済衰退という時代に少年期を送ったポスト氷河期世代は、就職難に直面する氷河期世代の後姿をみて育ったため、安定志向や大企業志向が強まっている。そのため、中小企業は新卒が集まらない状況に直面している。また、大手や中堅企業でも飲食や介護など不人気業種は新卒の確保に苦戦している。」とされています。ここ数年、盛んに、外国人労働者を受け入れている職種と重なります。
政府の定義の「1993(平成5)年~2004(平成16 年)年に大学を卒業した世代」というのは、統計の数字に大きく影響する大企業の動向が直接反映されていると思われますが、ひとまず、その定義を受け入れることとします。
現状はどうなっているのかについて、これも政府がまとめています。
「その中心層の35 歳~44 歳で『正規雇用を希望していながら現在は非正規雇用で働いている者』は約50 万人(35 歳~44 歳人口の3.0%)、『非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者(就業を希望しながら、様々な事情により求職活動をしていない長期無業者を含む)』は約40 万人(35 歳~44 歳人口の2.4%)
出所)労働力調査基本集計及び詳細集計(2018 年平均)(総務省統計局)」
一方で、「特定技能」という新たな在留資格を設けて、5年間で35万人の外国人技能者を受け入れようという施策が始まっていますが、その数に匹敵するくらい大量の、就労できない日本人の層が存在しているということはたいへん重要なことだと思います。
そこで、政府も、様々な省庁を大動員して、この問題をなんとかしようとしています。各省庁にまたがる問題なので、内閣官房のなかに「就職氷河期世代支援推進室」という組織が設けられています。
内閣官房のホームページでは、このオレンジ色の図の四角いボタンを押すと、各省庁の具体的な施策に飛ぶようになっています。
問題は就労の話なので、社会保険労務士さんの範疇かと思われますが、少し、行政書士に何ができるか考えてみたいと思います。