建設キャリアアップシステム;登録を代行できるか

すべての建設現場の技能労働者に、一人1枚、カードを持たせて日々の作業時に記録を積み重ね、実績経験、スキルと処遇を見えるようにする「建設キャリアアップシステム」の導入が始まっています。

元請の大企業ばかりではなく、下請けの会社、さらには、一人親方まで、建設業に従事するすべての技能者330万人を5年間で登録させる、ということが国土交通省の目標になっています。

そこで、「忙しいのでやってられない。面倒な登録手続きは外注したい」というようなニーズがあるのかどうか。登録手続きの代行は可能なのかどうかについて調べました。

まず、事業者の登録に関して。

登録に必要な書類として、以下のものが示されています。
【建設業許可のあるケース】
・建設業許可証明書の写し

【建設業許可のないケース】
・事業者証明書類 及び資本金確認証明書類
(例:事業税の確定申告書、納税証明書 など)

【両ケースともに】
・加入社会保険等確認書類
(例:社会保険料納入証明書、労働保険料等納入通知書、建退共契約者証 など)

--これだけの書類を登録したい事業者様にご提示していただければ、登録自体はインターネットで入力するだけですので、簡単に行うことができます。これから、技能者を受け入れる都度、登録が必要になりますので、この段階から、「丸投げ」していただくと、後に続く、たいへんありがたいビジネスにつながるものと思われます。

次に、一人一人の技能者個人の登録について。

国土交通省としては、「技能者登録については、技能者本人に代わって、技能者本人から同意を得た所属事業者・元請事業者・上位下請事業者等が申請を行うことができます(代行申請)。」と認めています。事業者から委託を受けてこの登録業務を行う場合は、この「事業者等」に該当するものと思われます。

・本人確認書類
・顔写真(カード用)
・加入社会保険等確認書類
・保有資格、研修受講、表彰の証明書類
・代行申請同意書 など

を登録を希望する技能者から提示してもらい、これもインターネットを使って登録すればよろしいわけです。登録完了の通知やカードの送付先は本人宛になるところを所属する事業所宛にすることも可とされていますので、事業者からの委託によって問題なくこれも代行することができそうです。

一人一人の登録の報酬がいただけるかどうかは交渉次第ですが、制度のスタート段階から、この便利な制度に係ることによって、事業者との密接なパイプを作ることができるものと思われます。