比較的最近になって、情報の統合が図られたことと、平行して、日本の「マイナンバー」に相当する仕組みも整備されています。 それについては、どうも、日本の「マイナンバー制度」は、いまだに賛否両論があるようで、韓国の状況を紹介しながら、日本はどこがうまくいってないのか考察してみたいと思います。
韓国の登録制度について
多くの外国には、日本の戸籍に相当するものはないということを書いてきましたが、中国、台湾、韓国には、それぞれの国情に添った制度があります。 そのなかで韓国は比較的IT化が進んでいます。以下の情報は法務省の「諸外国における身分関係登録制度等に関する調査報告書 (大韓民国編)」という資料から必要な個所をピックアップしたものです。
まず、大まかに、日本の制度との比較をみてみます。
細かい点はさておき、ほぼ、同様の項目があることがわかります。このうち、「登録簿」に関しては、日本は「戸籍簿」ですが、それに相当する韓国のものは「家族関係登録簿」というものです。それをもとに「家族関係証明書」の発行を受けることができます。このような様式になっています。
証明書の発給方法は,市・邑・面の事務所での申請・発給のほか,本人のみですが、無人証明書発給機,インターネット(電子家族関係登録システム)を利用して行うことができます。無人証明書発給機は,国民の便宜のために,官公署や地下鉄の駅など様々な場所に設置され ており,その無人証明書発給機が設置されている市・邑・面の長が自己の責任の下 に自己の名で発給業務を処理います。証明書は、偽造等の対策として,見えない文字の印字や特別な スキャン装置を利用した証明書の内容確認の仕組みを採用しています。なお,インタ ーネットでの交付手数料は無料となっています。
韓国では2007年(平成19年)まで身分関係登録制度として戸籍制度を運用してききましたが,戸籍制度の柱である戸主制度の改善や廃止等をめぐる議論が進められ,その結果, 旧来の戸籍制度を廃止することとなり,2008年(平成20年)1月1日,「家族関係の 登録等に関する法律(以下「家族関係登録法」という。)」の施行に伴い,新たな身分関係登録制度である家族関係登録制度の運用が開始されました。この家族関係登録制度では,各人個別に身分関係登録簿である家族関係登録簿を編製され、出生簿・婚姻簿・死亡簿等が統合された登録簿であり,かつ, 家族関係の情報をたどることもできる仕組みとなっています。
また、仕組みの面でも、従来は、各基礎自治体における進捗に大き な差があったのですが,2001年(平成13年)から大法院に戸籍電算化事業が移 され,法院行政処の電算情報中央管理所において,戸籍電算資料の収集作業等を遂行 し,2003年(平成15年)5月6日に戸籍データベースの構築作業が完了,ウェブ基盤の戸籍情報システムが導入されました。 家族関係登録事務で利用するシステムにおいても,この一元化された戸籍の電算化 情報を活用し,家族関係登録簿に移記したデータを用いて,電算情報中央管理所にて 2008年(平成20年)1月1日に家族関係登録システムの稼動開始となったものです。