入管問題とは(その9)

現場のニーズに応じて、外国人材を増やしていこうという政策は出入国を管理している法務省が「特定技能」という新たな資格を設けて枠組みを作った関係で、そこに注目しておりました。特定技能として認可された14業種は次のとおりです。

このうち、大量に人材を求めている建設業に着目して、国土交通省の認定までの制度の状況をみてきました。

ところが、この3~5行目にある「素形材産業、産業機械製造、電気・電子情報関連産業」これも、けっこうな人数になります。「素形材産業」は聞きなれない方もおられるかと思いますが、金属プレスで部品製造するような工場です。この3業種を所管しているのは経済産業省で、ここも国土交通省と同様に、特定技能の外国人材の受け入れに関して、きめ細かい指導を行っています。以下のとおり、外国人受け入れを考えている中小企業・団体向けに説明会を7月から開催するスケジュールになっています。「MUFG」のマークが大きく目立ちますが、私的なセミナーではなく、経済産業省として実施されるものです。 7月分のみ切り取りましたが、以下、8月には、高松、金沢、札幌、名古屋2回目と続きます。名古屋あたりは経済産業省管轄の中小企業が多いからなのか2回開催されます。

6月24日にこの記事が経済産業省のホームページにアップされましたが、数日のうちに、7月16日の東京会場は満席になりました。たいへん関心が高いことがわかります。

少し気になったのは、なぜ、「三菱UFJ」がこの件のサポート役なのか、という点です。セミナーのプログラムをみて構造が理解できました。

プログラムの3番目の「外国人労働者受入れに関する生活支援・相談窓口の紹介」という部分を担当するのが、「株式会社JTB・三菱UFJリサーチ&コンサルティング」であり、これは、「経済産業省 製造業における外国人材支援事業受託事業者」として登録されていることがミソでした。

受入れ企業から給与を受け取るための口座開設や、本国への送金など、銀行さんの出番がいろいろあることが理解できました。

新制度のもとで、受け入れ企業を支援する「登録支援機関」という制度があり、行政書士の個人あるいは法人も相当数、この認可を受けています。 ただ、このように不慣れな外国人の生活一式をサポートする役割を、高くはない費用で行うのは現実的には不慣れな者には難しいものと思います。 制度が変わっても行政書士は、在留資格認定のための取次申請の本来の業務に専念するのがよろしいのかと認識した次第です。