リモート会議やセミナーは定着するのか
日経新聞電子版に「ビデオ会議が疲れる4つの理由 女性のほうが悩み重く」と題する記事が掲載されていました。オリジナルは「ナショナル ジオグラフィック ニュース」のもので、外国人の方が書かれたものです。とても違和感がありましたので、一言、書かせてもらいます。
疲れる4つの理由として書かれていることをかいつまんで書くと、
第1に、対面の会話で自然にやり取りしている身振り手振りやボディーランゲージが、オンラインでは通じないこと
第2に、ビデオ会議中はウェブカメラの枠内に常に収まっていなければならないと感じ、自由に動けないことにストレスを覚える。
第3に、多くのビデオ会議アプリは、初期設定で自分の顔が表示される状態で、そのまま自分の顔を見続けていると、自分を強く意識しすぎてストレスが溜まり、それによって注意散漫になったり、不安症やうつ病を引き起したりするという。
最後に、他の人々が自分のことをじっと見つめているのではないかという思いにとらわれてしまう現象。
本当に現場を調べたのかと疑いたくなりました。
たしかに、この4つのいずれかに当てはまって不快な思いをしている人はいるのかもしれませんが、私のまわりの実務的な会議では、通信回線の負担が大きくなるので、リモートの会議でも、まず、映像をオフにするよう注意喚起されます。もちろん、話したい場面以外、音声も「ミュート」です。上記の記事は「顔が映る」ことにフォーカスし過ぎているように感じました。
趣味のサークルはそうかもしれませんが、ビジネスでビデオ会議を使う場合は、それほどお互いの顔を映すことに誰もが重点を置いていないように思います。皆さんのところはいかがでしょうか。
一方で複数の人を対象にした「セミナー」の場合、ありがたいことに移動時間無しで参加できます。先日、5百人もの人が同時に参加するセミナーがありました。これは、コロナ影響がもたらした得がたい機会だとも言えます。少し前のことですが「リモートセミナーのノウハウ」というような講座を聴いた際に、「リアルなセミナーと同様、お互いの顔を出していただくように呼び掛けましょう」というようなお作法を述べている先生がおられました。それこそ、旧い形式にこだわり過ぎているのではないかと感じた次第です。
東京都などに出されている緊急事態宣言は5月末までとなっています。それが延長されるかどうかも話題にのぼっていますが、いずれ数か月もすればワクチンが行きわたり、欧米のようにマスク無しで生活できるようになるものと思います。
そのとき、ビデオ会議や在宅勤務は、「窮屈な代用品だった」という総括で姿を消してしまうのか、あるいは、先進企業などにはその良い部分が発展的に残されていくのか、興味があります。
(街を散歩していて、珍しい花に出会いました。直径10cmほどもある、大きなネギ坊主のような形の花です。スマホのアプリで調べたところ、アリウム・ギガンテウム(Allium giganteum)というものだとわかりました。スマホはどんどん便利になっていきます)