婚姻届も「脱ハンコ」の報道について
数万もの形式があるとされる行政手続きから一斉に「印鑑」をなくす取り組みが開始されています。その一環で、先週、婚姻届も「脱ハンコ」というテレビの報道がありました。ここでは事実関係を淡々と解説してくれれば済むものを、市民の皆さんに関心を持ってもらいたいという意図なのか、「結婚前のカップルに聞く」というようなものがセットになっていました。
「ハンコを押すのは面倒くさいので歓迎」
「自分で印鑑を押すことで節目としたい。不要になるのは抵抗がある」
などの賛成反対の意見をとりあげています。
ところで法律が改正されて「印鑑不要」という文書に、それを知りながら印鑑を押すと申請書としては却下されるのでしょうか。余計なことを記入したという理由で。
こういう場合に、「役所としては印鑑は不要なのですが、気持ちを込めて印鑑を押したい方はどうぞ」という具合にならないものかと思うのですが、どうなんでしょう。
固いイメージの「お役所仕事」も、その程度のサービスの幅があってもいいような気がします。しょせん、コンピュータに入力されたものが「正」で、申請書に書かれたものは入力データに過ぎないのだとすれば、印鑑があろうがなかろうがどうでも良いような文化になることのほうがおもしろいような気がします。
もっとも、そのようなあいまいな受付方は、いったん、「印鑑不要」という様式が定着した後の話で、今、そのような意見まで採用するとお役所の現場が混乱するだけなんかもしれません。この件は成り行きを見守りたいと思います。
(今回もジブリからいただきました。本文とは関係ありません。「思い出のマーニー」から)