成年後見の関連でたいへん参考になります
「成年後見制度」とは、認知症や精神障害などで財産管理能力を失った方を対象とした制度です。「法定後見」と「任意後見」があります。
◆法定後見;家庭裁判所の決定により成年後見人を選任する制度です。配偶者や相続人が家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てることで手続が開始されます。
◆任意後見;今後認知症の発症が不安な方が、元気なうちに自分で後見人を選任しておき、実際に判断能力の低下・喪失となった場合に、家庭裁判所に申し立てることで手続が開始されます。
法定後見人は家庭裁判所が適格者を選任します。したがって、法定後見の場合は希望した者が必ず後見人になれるわけではありません。
認知症や精神障害などの、次のようなシーンで必要になります。
①本人の診療・療養介護・福祉サービスなどの利用契約の締結
本人の財産や収入を把握した上で、医療費や税金などの支払管理を行います。必要があれば、本人の介護サービス利用契約や診療、老人ホーム施設への入退所契約といった契約を代理して行います。
②本人の預貯金や不動産などの財産管理
成年後見人は成年被後見人の財産(預貯金、不動産、生命保険など)を把握し、これを管理する権利・義務があります。具体的には、成年被後見人の財産について目録を作成し、その財産処理の内容を裁判所に定期的に報告するなどが仕事です。
それはさておき、漫画家でタレントの蛭子能収(えびす・よしかず)さん(73)が、ご自身のツイッターで「認知症になりました」と報告していることがニュースなどで報じられています。
このように「明るく」告知されることで、認知症とはどういう症状になることなのか、広く伺い知る機会を得ました。
ニュースによると、蛭子能収さんは、次のような症状になっているということです。
・3次元の物を理解できない視空間認知の衰え
・幻視の症状も見られる
・簡単な計算も困難
病気の内容も解説されていました。
・レビー小体病とアルツハイマー合併症
・軽度認知機能障害
こうして、「レビー小体病」とは何か、「アルツハイマー」はよく聞くけど、と調べるきっかけになります。
◆レビー小体病;「レビー小体」というたんぱく質が脳に蓄積し神経細胞が破壊される病気で、これらが脳幹にたまるとパーキンソン病、大脳にたまると認知症の症状が進む。
◆アルツハイマー病;アルツハイマー病とは、脳が萎縮していく病気。病変の進行が海馬を含む側頭葉内側部に始まり、次第に側頭頭頂連合野や前頭連合野に及んでいく。この病変の進行にしたがって様々な症状が認められる。見当識障害、記憶障害、頭頂連合野に関連する症状(構成失行、着衣失行、視空間失認)、言語障害などである。
ふたつは別のものかと考えていましたが「合併症」ということもあるのかと、認識を新たにしました。
新型コロナで志村けんさんのときもそうでしたが、有名人が罹患すると一般の人はショックを受けるとともに、よく実情を知るきっかけになります。
報道によれば、蛭子能収さんは、「でも毎日元気に過ごしています。認知症以外は、人間ドックでも健康体です」ということですので、引き続き、お元気で過ごされることを願っています。
(写真は、スポニチからいただきました)