入管関係に新たな動き

入管関係に動きがありました。
といっても、意味不明の「6月12日の午後3時半に施設内で爆発を起こす。失敗した場合は、職員に刃物で危害を加える」という予告のことではありません。おかげで、東京出入国在留管理局=東京入管は、本日の窓口業務が中止となっています。
海外111か国の渡航禁止に腹を立てたのか、あるいは、在留資格更新などの点で入管の判断に不服なのか、意図はわかりませんが、何も解決しないものと思います。

「動き」というのは、この件ではなく、「新型コロナウイルス水際対策の出入国制限に関し、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの四カ国を今月中に緩和する方向で調整を始めた。」というニュースです。「ビジネス目的の人が対象で、海外との往来再開により景気回復を急ぐ。」という趣旨だと説明されています。
4か国とも日本と経済的な関わりが強い国です。「政府は近く対策本部(本部長・安倍首相)で緩和案を決定したうえで、夏の往来再開を目指し、各国との交渉を本格化させる方針だ。」とされています。
この4か国は下記の表のとおり、感染者数も一桁台になっており、一応、終息したと判断したものです。ただし、すぐに解禁ということではなく、周到に準備を行い、「夏には往来再開」ということを狙っています。

一方で、「クラスター」がご専門の北海道大学の西浦教授が、「感染者が海外から1日10人入国すると、90日後には99%の確率で大規模な流行が起こる」と警告されています。
そういうことも踏まえ、「入国者は日本到着後のPCR検査で陰性だった場合、受け入れ企業が移動手段を確保したり、活動拠点を限定したりするなどの措置を取れば、入国後14日間の待機を免除し、ビジネス活動を行えるようにする。ただし、公共交通機関は使わないよう求める。」と慎重な対策です。
さらには、「入国前にウイルスの陰性証明書や日本国内の訪問先などの行動計画書の提出を求める。入国後14日間はスマートフォンなどの位置情報を保存してもらうことも要請し、防疫対策を徹底する方向だ。」ということです。
「スマートフォンなどの位置情報を保存してもらう」という対応は、外国人を受け入れる必要がある「企業」がしっかり管理することを要請しているものと思われます。

少し気になるのは、「新規感染者ゼロ」と公表している中国や、大統領の措置が適切で検査体制が万全だったため感染者を低く抑えることができたと自負している韓国です。ビジネスにとって必要な国ですが、専門家の議論に期待したいところです。

このウィルスに有効なワクチンなどがまだ開発されていない段階ですので、後に、「あの判断は早すぎた」ということにならないよう、慎重な対応が必要かと思います。

(以下の表は、東京新聞の記事からいただきました)