法務省も「成果連動型民間委託」を取り入れています
厚生労働省、経済産業省に続いて、法務省でも、「成果連動型民間委託契約方式による事業(PFS:Pay for Success)」を取り入れています。
先日、2月3日に都内で開催された、関係省庁の取り組みや先行事例を紹介する「PFSセミナー」のなかで法務省からは、以下の報告がありました。
「再犯防止活動に民間のアイデアやノウハウ、資金を活用するため、調査研究を行ってきた」ということです。
説明するまでもないかと思いますが、再犯防止活動とは、犯罪者が再び罪を犯さないように、刑務所での指導や職業訓練、出所後の社会復帰の支援などを行うことをいいます。
「罪を犯す人は、高齢、障がい、貧困、薬物などへの依存など、簡単に改善されないような問題や困難を抱えている。息の長い支援が求められるが、刑事司法関係機関では指導できる期間が限られているため、関係省庁や民間団体、地域と連携した取り組みが求められている。国と地方公共団体の協働による再犯防止活動については、2018年度からモデル事業を実施しており、2020年度に効果を検証する」とのことです。
再犯防止分野の成果連動型民間委託としては、少年院を出た後の学習支援、ギャンブル依存に焦点を当てた指導・支援に関わるものを検討しているとのことです。
また、再犯防止の広報啓発活動にもPFSを導入する、毎年7月の「再犯防止啓発月間」に法務省が開催してきたシンポジウムを、2020年はPFS方式で行う予定とのことです。
シンポジウムのための会場確保や、事前の各種案内などを含む一式を民間に委託するというもので、「成果連動型」ということであれば、「最低〇〇名募集」というような数値目標が与えられるものと思われます。
こういった、従来は、お役所が手作りで開催してきたようなイベントの類も、どんどん、市場のニーズにあわせた企画をとりいれ、しかも、開催することではなく、やった結果どうだったか、という成果に焦点をあてて、それに応じて契約代金を支払うというケースが増えていくようです。
やがて、常時、官庁で働く人は増加せずに、各種のイベントをはじめ施策や活動がバラエティー豊かな充実したものに変化していくような気がします。こういった取り組みにも注目していきたいと思います。
(写真は、かずなりさんによる「写真AC」からいただきました)